その他の膝痛
【慢性関節リウマチ】 （多発性慢性関節炎）
膝一ヶ所だけに起こる病気ではない。
全身二ヶ所以上の関節に左右対称に現れ、炎症の度合いが深刻で非常に痛みが強く、
まったく体を動かさなくても痛む 「安静時痛」 が特徴。
免疫機構の異状によって起こるが、何故異状が起こるのかはまだ解明されていない。
ウィルス感染、心身のストレス、過労、出産、閉経などが
関連しているという説がある。
症状の進行
何らかの原因で免疫機構に異状が生じる
手の指がこわばる
関節組織の破壊が進む
骨膜が厚くなる
骨膜が繰り返し炎症を起こし、関節液が増える
膝や手以外の関節まで痛む
大腿骨と脛骨（スネの骨）が癒着する
膝を曲げられなくなってくる
【特発性骨壊死】
大腿骨の膝関節側の一部が血行障害から壊死を起こし、凹んだ状態になり、
膝関節の噛み合わせに狂いが生じる。
膝を動かした時に股関節から膝にかけて強い痛みが出て、
「ゴリゴリ」 という摩擦音を感じる。
夜間痛が強い。
壊死の誘発となる血行障害が何故起こるのかは解明されていない。
【特発性骨壊死】
ケガが原因で半月板（関節の内側・外側はまっている緩衝材）が
断裂してしまう症状。
膝痛の中でスポーツが引き起こす最も多い症状で、外側より内側に多く発生する。
膝の曲げ伸ばしや、ねじり運動の際に強い痛みを感じる。
特徴
ロッキング ～ 膝の可動域が制限される
膝崩れ ～ 歩いている最中に突然、膝の力が抜けてしまう。
スナッピング～ 膝を深く曲げると軋む
【離断性骨軟骨炎】
激しいスポーツによって、膝に強いストレスが繰り返しかかって起こる。
大腿骨の一部が剥がれ落ちてしまい、
これが膝関節内に留まって膝を曲げ伸ばしする時に関節に挟まり痛みを生じる。
痛みの原因となる剥がれ落ちた骨片を 関節ねずみ といい、
肘関節で起こることが多い。
【膝蓋軟骨軟化症】
スポーツのしすぎなどが原因で、膝の関節軟骨が変形してしまう病気で、
特に若い女性に起こる。
発症には、膝にかかる力の他に体質も関係しているようである。
膝蓋骨がもともと緩く亜脱臼を起こし易い人、
すでに膝蓋大腿関節を脱臼している人、Ｘ脚の人などに多くみられる。
【その他】
脊椎や腰椎の病気（変形性脊椎症、腰椎椎間板ヘルニア、脊柱管狭窄症、
脊柱分離症、脊柱分離すべり症など）が誘引となって、
膝への負担が増し、ひどくなると痛みを生じることがある。
脛骨（スネの骨）の変位によっても膝痛になる場合がある。
ヒールの高い靴を履いていると、体重が前へかかっているので
脛骨が前方変位してしまい、これが原因で膝痛になることがある。
また、関連したケースで大腿骨と脛骨の逆方向への捻れが原因での
膝痛が起こることがある。
こういった場合は、きちんと検査した上で矯正すれば痛みは軽減、または消滅する。
＊いずれの場合も専門医師と良く相談してください
