イギリス軍要人機ダコタ不時着をベースにしたドラマ。
終戦から5ヶ月後の昭和21年1月14日、
上海から東京へイギリス総領事を送る途中だったイギリス空軍要人機ダコタが
ダコタは砂に埋もれ、滑走路もないことから乗組員は島にとどまることを強いられる。
敵国であったイギリス軍人を前に、戦争で家族を失った者、
未だ戦地から戻らぬ息子を待つ者も少なくない住民たちは複雑な感情を抱く。
だが、ダコタの第一発見者である千代子(比嘉愛未)の
父で村長の新太郎(柄本明)は、率先して彼らを温かく迎え入れる。
終戦から5ヶ月しか経っていない日本は、
まだ「鬼畜米英」教育から脱しきれていない。
そんな時代に「困ったもんがおったら助けるのが佐渡んもん」
とイギリス軍人を温かく迎え入れ、
村民総出で大波のノタからダコタを守り、真冬の寒い中に手造りで滑走路を造って
ダコタを再び飛び立たせた佐渡の人たちの温かい心に感動させられる。
人間同士、言葉は通じなくとも心は通わせられるのだ。
座礁、沈没における生存者救助が同じような話。
トルコではこの話が教科書にも載り、その恩返しともいえることがあった。
1985年のイラン・イラク戦争のときに
トルコ政府がトルコ機を手配し、日本人を救出した。
人と人との繋がりが希薄になり、損得勘定でしか行動できない現代社会に
一石を投じるような映画です。
終戦から70年近く経った現在でも、
当時のことを争いの種にしているアジア人もいれば、
わずか5ヶ月で未来に向かって進んで行こうとする佐渡の人たちもいる。
佐渡の人たちの素朴なやさしさ、そして日本人の心の美しさ、
温かさが伝わると同時に日本人っていいなあと思わせてくれる物語です。
ただもう少し演出に工夫を凝らし、役者がもうちょっと上手ければ
もっと良い映画になっているはず。
とくにイギリス軍人役は素人丸出し。
物語の中身が良いだけにもったいない感がある。
☆4つです!
☆ ☆ ☆ ☆ ★ |
余談
有楽町のスバル座で観たのだが、上映時間がなんと8:40からの一回のみ。
なぜこんな上映スケジュールになったのか?
前売りチケットが金券ショップで500円で売られているのは、
こんなことが理由なのだろう。