子供たちが夢に描いた理想の家政婦 メリー・ポピンズが
その誕生秘話に迫る感動のヒューマンドラマ。
ウォルト・ディズニーの映画製作の舞台裏を初めて描き、
原作者と映画製作者の激しい攻防を情感豊かに映し出す。
1961年 パメラ・L・トラヴァース(エマ・トンプソン)は、
『メリー・ポピンズ』の映画化について話し合うためにロサンゼルスに向かう。
傑作児童文学の著者である彼女は気難しい性格で周りを困惑させる。
スタッフたちはどうにかしてトラヴァースに
映画化の契約書に署名してもらおうとするが・・・。
恥ずかしながら『メリー・ポピンズ』は、
ディズニープロダクション原作だとずっと思っていた。
他に原作者がいたとは・・・・。
しかも原作の『メリー・ポピンズ』は映画のそれとはかなり違ったもののようで
アニメ挿入は不可、台詞ひとつにも注文を付け、
「原作に忠実に」という条件を譲らないトラヴァースと
トラヴァースとスタッフのやり取り、攻防は、おもしろおかしく、見応え充分。
頑なに原作に拘る背景には、トラヴァースの父への愛があった。
さらにメリー・ポピンズは、厳格な叔母がモデルだったようで
それを軽薄な歌と踊りで表現することが許せなかった。
ウォルト・ディズニーの大人の対応は見事。
劇中で
チム・チム・チェリー、2ペンスを鳩に、お砂糖ひとさじで、
スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス
などが流れるシーンになると、
傘をさしながら風に乗ってやって来た家庭教師メリーや
彼女がパチッと指と鳴らして子供たち共々みるみるうちに縮んで小さくなっていき、
そして彼女たちが絵の中へと冒険に出掛ける『メリー・ポピンズ』のシーンが
次々に思い出される。
夢の世界へ連れて行ってくれた『メリー・ポピンズ』だが、
この映画を観た後で再度観たら、見方、感じ方、受け取り方が
違ったものになるのは間違いない。
エンドロールとともにウォルト・ディズニー、トラヴァース、
当時の写真が見られるのも良い。
☆5つです!
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