シンガーソングライター、アンジェラ・アキの「手紙 ~拝啓 十五の君へ~」を
題材にしたテレビドキュメントから着想を得た中田永一の小説を実写化。
輝かしい才能を持つピアニストだった臨時教員の女性が、
生まれ故郷の中学校の合唱部顧問として生徒たちと心を通わせていく。
産休を取ることになった親友の音楽教師ハルコ(木村文乃)の代理として、
天賦の才能を持つピアニストとして活躍した噂のある美女だが、
その性格はがさつで乗り回す車もボロいトラック。
彼女はコンクール出場を目標に日々奮闘している合唱部の顧問になるのだが、
美人な彼女が顧問になったことで、
それまで女子だけだった合唱部に男子の入部希望者が続出。
入部動機の違う男子と女子の間で問題が絶えない。
そんな中で柏木は部員たちに、課題として15年後の自分に宛てた手紙を書かせる。
やがて、部員たちが綴った手紙から、
それぞれが抱える苦悩や秘密が浮き上がってくる。
その直前でもひと波乱があり、感動的なラストへとつながる。
暮れに読んだ原作本が良かったので、上映されるのを楽しみにしていた。
「それぞれ部員たちが抱える苦悩や秘密が浮き上がってくる」といっても
二人の部員の生い立ちや現在の苦悩と臨時教師の柏木を中心に描かれている。
先に本を読んでいたのでガッキー以外で誰がどの役を演じるのか?
とくに主人公の一人である男子中学生の自閉症の兄に注目していた。
物語は、本で描かれているエピソードのいくつかを省いているため
ラストのシーンでの盛り上がり、感動がいまいちになってしまった。
2時間12分の長めの映画なので、本の通りの展開を描いていたら
3時間以上の映画になってしまうだろうからやむを得ずなのだろうが、
ラストの感動へ結びつくエピソードがいくつも省かれてしまって
結果的に感動が薄れてしまったのは残念だ。
本を読んでいなければこれでも十分かもしれないが、本のほうが数倍感動できる!
ガッキーのツンデレ教師は、なかなか良かった。
それにしてもガッキーがあんなにピアノが上手だとは知らなかった。
『スウィング・ガールズ』とはまた少し違うピュアな中学生たちの姿が
五島列島の自然の中で爽やかに表されている。
オールロケでの撮影だけに長崎・五島列島の自然がきれいなことと、
ラストのコーラスシーンがメインイベントなだけに
大きなスクリーンで音響効果の良い映画館で見たかった。
近くでそのような映画館での上映がなく、
私が見たのはシネコンでスクリーンも小さく、音響もいまいちだったのが残念。
☆4つです!
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