２００９年１月１５日真冬のニューヨークで、
安全第一がモットーのベテラン操縦士サレンバーガー機長（トム・ハンクス）は、
いつものように操縦席へ向かう。
飛行機は無事に離陸したものの、マンハッタンの上空
わずか８５０ｍという低空地点でバードストライクにより
急に全エンジンが停止してしまう。
このまま墜落すれば、乗客はおろか、
ニューヨーク市民にも甚大な被害が及んでしまう。
そんな状況で彼が下した決断は、ハドソン川への着水だった。
機長は乗客の命を救ったのか、それとも危険にさらしたのか？
映画はこれらを争点とする調査委員の審問を軸に、
事故当時の状況と、機長の心的葛藤を克明にしていく。
時系列ではなく、機長のフラッシュバックによって
事故の記憶を呼び覚ます錯時的な構成をとっていることで
機長の心の葛藤がどれほどのものだったのかが伝わってくる。
大袈裟な演出が一切なく、事実を積み重ねた映画になっています。
単なる航空機パニック映画ではなく、
この事故をベースにヒューマンドラマとして描いているところが
クリント・イーストウッド作品らしく、見終わった後の余韻が心地良いです。
エンドロールにで当時の救出の際の写真や実際の生存者、機長本人も登場します。
中身の濃い２時間弱の作品で
ラストの副操縦士のウィットの効いたジョークがナイスです。
☆５つです！
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