徒歩やバイクの18人が救助もせず通り去ったという事件があった。
この情景をとらえた監視カメラの映像はインターネットに投稿されて、
多くのメディアの論説で取り上げられ、
ソーシャル・メデイアのサイトに何百万という意見が寄せられた。
悦悦ちゃんはひき逃げ事故の7分後に年配の廃品回収者の女性が
安全な場所に移し親を捜しにいくまで放置され、21日に亡くなった。
なぜ通行人が女児を助けなかったかについて、
「中国の最も不道徳な面がさらけだされた」
「経済成長で頭がいっぱいになっている」
という意見とともに女児を無視した通行人らを非難するコメントが殺到したが、
中国の倫理観、道徳教育の方向性に問題があるのだと思う。
ほとんどの中国人の親は自分の子どもたちに
「関係のないことに関わるな、トラブルを避けなさい」
と教えるいう。
最も有名なのは2007年に南京で起きた事件。
転んで足の骨を折った年配の女性を助けて病院に付き添った若い男性が訴えられたのだ。
裁判所はこの男性に女性の医療費の40%を支払うように命じた。
「常識的に考えれば、もし転倒したことに何らかの関わりがなければ救助するはずがない」
というのがその理由だった。
倒れている人がいても自分が原因だと訴えられたくないから見て見ぬふりをする。
この倫理観が今回の悦悦ちゃんを放置させてしまったのだ。
「困っている人がいたら助けましょう」という道徳教育を受けてきた日本人には考えられないこと。
『情けは人のためにならず』
『触らぬ神に祟り無し』
が中国の教育の根底にあるのだ。
最近の日本もこういった風潮は広がっている。
震災で「人との絆」を再認識する傾向が高まりつつあるが、
反面、自己中心、自己保身の風潮は確実に強くなってきている。
自分のことは棚に挙げ、相手を非難する。
相手が傷付こうがお構いなし、自分さえ良ければそれで善し。
いつからこんな日本になってしまったのか?
どうしたら『和』を尊重する日本に戻れるのか?