ぴ~まん’s ワールド

仕事も遊びも楽しくやろう 楽しくなければ人生じゃない

江戸しぐさ

江戸しぐさ『魚屋しぐさ』

江戸の町を勢い良く駆け回って商売をしていたのが魚屋だ。 天秤棒の両端に桶を下げ、仕入れたばかりの新鮮な魚を庶民に供給した。 天秤棒を振って売り歩くことから、彼らは「棒手振り」「振り売り」と呼ばれていた。 そんな彼らにもしぐさがあった。 魚を買…

江戸しぐさ『自堕落しぐさ』

一時期、いわゆるTPOがやかましく喧伝されたことがあった。 何事にも時と場所と場合を考えなさい、ということである。 例えば、結婚式に招待された女性が白い服装をまとうのはタブー。 白は花嫁の色だからである。 このようにTPOを考えれば着ていく服…

江戸しぐさ『水かけ言葉』

楽しく談笑しているときに、その雰囲気をぶちこわすことを言う人がいる。 話の腰を折る発言、DAIGO風に言うならK・Yである。 まるで水を浴びせられたかのようになってしまうので このような言葉を『水かけ言葉』と呼んだ。 たとえ自分とはかけ離れた話題で…

江戸しぐさ『死んだらごめん』

現代では、口約束というと何かあやふやなもので、 きちんと守られるかどうか心配が先に立つ。 ところが江戸時代の口約束は違った。 とくに商人同士の口約束は、絶対の約束だった。 何の証文もない口約束だが、いったん約束したら必ず履行するというのが 江戸…

江戸しぐさ『無悲鳴のしぐさ』

往来を歩いていて思いがけないことに遭遇すると、 ついつい大声を上げてしまうのが普通の人間だが、 江戸では、こんな場合でもなるべく声を上げないように努めた。 これが『無悲鳴のしぐさ』である。 不用意に大きな声を上げることで事を余計に大きくしてし…

江戸しぐさ『ちょうな言葉』

手斧(ちょうな)・・・大工道具の一種で鍬のような形をしており、 その先に鋭利な刃が付いている 木材の粗削り用の斧で、表面を平らにする道具 手斧によって表面をあらかた平らにして、 それから鉋(かんな)によって仕上げていくのが工程だが、 手斧は粗削…

江戸しぐさ『刺し言葉』

相手に敬意を払って互いに助け合って生きようとしたのが江戸の精神。 当然、言葉使いも丁寧になる。 江戸のいわゆる「べらんめえ口調」といわれるのは、 江戸下町の仲間言葉で年長者に対しては、語尾に敬語を入れて使った。 ところが、なかには人をいらつか…

江戸しぐさ『時泥棒』

江戸時代は、自然とともに一日を送っていた。 日の出とともに人は起床し、日の入りとともに床に就いた。 そのために人が働く一日の時間を大事にしていたし、 少しの無駄もなくそうとしていた。 とくに江戸の商人、職人たちは、大事に時間を扱っていたから 突…

江戸しぐさ『訪問しぐさ』

同じ長屋に住む者同士の付き合いは、家族同然だった。 簡単に声を掛けて戸を開け、中へ入ってくる。 米から生活用品全般まで貸し借りは当たり前で、 なんの遠慮もいらない付き合いだった。 しかし、商家などの主人同士の付き合いは、長屋のように簡単ではな…

江戸しぐさ『芳名覚えのしぐさ』

江戸の町では、何かと寄り合いが多くあった。 それらは「講(こう)」と呼ばれ、 宗教的な集まり、娯楽的な集まり、経済的な集まりなど、その内容はさまざまだった。 このような寄り合いへ初めて出席するとき、 自らは名乗るものの、他の人の名前を直接聞く…

江戸しぐさ『ふとどきしぐさ・わがまましぐさ』

江戸では、幕府の犯罪防止から 「五人組」というグループ単位で相互監視、相互扶助の仕組みが作られていた。 だから、名主、家主を中心とした共同社会が成立していた。 そんな社会だから、自己中心的に振る舞うことは嫌われた。 もちろん身勝手に振る舞う者…

江戸しぐさ『世辞』

世辞というと、現代のお世辞と同じものと誤解されそうだが、まったく違うものだ。 お世辞は、心にもないことを上辺だけ褒めたり、お追従することをさすが、 江戸時代の世辞とは、きちんとした挨拶の後に続ける辞令、言葉をさしている。 世辞は、形式的ではあ…

江戸しぐさ 『三脱の教え』

江戸時代には「士農工商」という身分制度があり、 武家と農民、町人がきっちりと分けられていた。 ところが、江戸も後期になると、経済の発展から町人の力が強くなり、 武家の権威が落ちてきた。 そんな社会になると、身分制度にこだわらない風潮が生まれた…

江戸しぐさ 『喧嘩しぐさ』

火事と喧嘩は江戸の華 江戸の町では、しょっちゅう火事や喧嘩騒ぎがあり、江戸の名物だった。 薄い板と簡単な壁で造られた長屋は、いったん火がつくとよく燃えた。 しかも家の中に竃(かまど)がある構造だったから、失火が多かったのである。 また、男の数…

江戸しぐさ 『聞き耳しぐさ』

江戸に住む多くの人は、長屋に住んでいた。 長屋の造りは貧弱で、薄い板と簡単な壁によって各家は仕切られていた。 だから、隣家の声は当たり前のように聞こえた。 そこで生まれたのが「聞き耳しぐさ」である。 このしぐさは、聞き耳を立ててこっそり話を聞…

江戸しぐさ『駕籠止めしぐさ』

駕籠(かご)は、江戸でも高級な乗り物で、 現代のタクシーのように誰かれなく乗れるものではなかった。 医者や大店の主人、ある程度お金を持っている隠居など、 利用する人は限られていた。 それだけに、江戸で商売を始めた者にとっては、 「いつかは駕籠を…

江戸しぐさ『女しぐさ・男しぐさ』

女性は控えめで慎ましく、男性は勇ましく、思慮深く振る舞うのが 「女しぐさ」「男しぐさ」である。 例えば、力仕事は男性が行うものであり、 奥向きの、いわゆる家事関係は女性の担当だった。 現代では男女差別だという声が上がりそうだが、 江戸では、決し…

江戸しぐさ『お目見えしぐさ・後引きしぐさ』

初対面の第一印象が、その後のお付き合いを左右することがある。 だから同じ江戸に住む者にとって、 最初に会うときは自分を飾らず、謙虚にありのままの姿を見せるように努めた。 これが「お目見えしぐさ」で、 最初から本当の自分を知ってもらおうという江…

江戸しぐさ『喫煙しぐさ』

江戸時代に庶民レベルまで行き渡ったのがタバコである。 はじめは贅沢品であったが、各地でタバコの栽培が盛んになり、 葉を刻んだ刻みタバコが広く流通した。 今のように20歳にならないと吸ってはいけないという規則はなかったものの、 喫煙に対しては常…

江戸しぐさ『つまらない物ですが』

人に物をあげる場合、その物と一緒に添える言葉で 「つまらない物ですが・・・・」 がある。 これは物をあげる際のしぐさのひとつで けっしてつまらない物ではなくても、この言葉と共に物をあげた。 このしぐさは、相手にへりくだった物言いで、相手に対する…

江戸しぐさ『年代しぐさ』

儒教の教えが行き渡っていた江戸の町では、それぞれの年代に応じたしぐさがあった。 孔子の教える年代の分け方とは、 15歳は、志学(しがく)といって、何をするのか志を立てるとき、 30歳は、而立(じりつ)といって、仕事で独立するとき、 40歳は、…

江戸しぐさ『銭湯つき合い』

江戸の町屋は、一部を除いて内風呂は禁止されていた。 各家に風呂があると、それだけで火事の原因になるからである。 そのため江戸の町にはいたる所に銭湯があった。 江戸時代銭湯は湯屋と呼ばれていて、旅籠屋に宿泊した客も 入浴の際には湯屋に出かけた。 …

江戸しぐさ『七三歩き・とうせんぼしぐさ』

町人が往来を歩くときは必ず道の左端を歩いた。 威張りかえって道の真ん中を歩くのは、田舎から来た武士たちだけだった。 往来は、その七分が公道であり、 自分たちが歩くのは、端の三分という暗黙の約束があったのである。 何故、道の中央を空けておくかと…

江戸しぐさ 『逆らいしぐさ』 『戸閉め言葉』

江戸は一種の共同体だったから、何事にも素直に先輩の言葉を聞くことが善しとされた。 年長者に敬意を払うのも江戸では当たり前のことで、 言われたことは、まず間違いのないこととして従うのが普通だった。 ところが、その先輩の言葉を聞かず、何もしないう…

江戸しぐさ 「用心しぐさ」

いつの世にも悪党はいる。 スリ、かっぱらい、押し込み(強盗)など、現代でも当たり前に起きている犯罪は、 当然、江戸時代にもあった。 とくに江戸の町人文化が華やかになると、 江戸の各所にあった広小路という大きな通りには、屋台や店が多く出て、 人々…

江戸しぐさ 「横切りしぐさ」

居心地の良い社会の基本は、他人に失礼な振る舞いをしないことが第一の要点です。 たくさんの人が溢れる江戸では、無礼な振る舞いを極力避けることが求められました。 とくに無礼で非礼な行為として、人の目の前を横切ることがあげられ、 これは 「横切りし…

江戸しぐさ 「うかつ謝り」

ぼんやりしていて注意が行き届かない様を 「うかつ」 というが、 このような状態を江戸っ子は嫌った。 「うかつ謝り」 とは、自分の注意のなさを詫びることだ。 例えば、江戸の人たちは、よく縁日に出かけたが、 そうした雑踏では足を踏まれることも多かった…

江戸しぐさ 「こぶし腰浮かせ」

江戸の譲り合う精神が成立したのは、各地からたくさんの人が流入し、 それぞれ異なった作法がたくさん存在していた結果だろうと言われる。 まず相手を立てることから意思の疎通をはかる。 そこに譲り合う精神が生まれる。 それが二世代、三世代と続くうちに…

江戸しぐさ 「片目出し」

江戸の町屋は、玄関を開けたら、すぐにそこは道である。 庭付きで塀のある家は、大店の主人か武家の屋敷だけである。 だから、家から外へ出るとき、勢い良く出ることははばかられた。 戸を横に開いたら、まず顔を出し、右を見て、左を見て、通行がないことを…

江戸しぐさ 「傘かしげ」

庶民が住んでいる裏長屋の路地の幅は約2mほどで、道幅が広いとはいえなかった。 そんな道を雨が降る日に傘を差して歩くとき、 忘れてはならないしぐさが 「傘かしげ」 である。 傘をさしてすれ違う場合、互いに傘を外側に傾けるのである。 すれ違う相手の…