楽しく談笑しているときに、その雰囲気をぶちこわすことを言う人がいる。
話の腰を折る発言、DAIGO風に言うならK・Yである。
まるで水を浴びせられたかのようになってしまうので
このような言葉を『水かけ言葉』と呼んだ。
たとえ自分とはかけ離れた話題でも、
会話が弾んでいたらおとなしく聞いているのが江戸しぐさ。
その話題に茶々を入れるような言葉はタブーとされた。
現代のように周囲とまったく付き合いせずとも
一人で暮らせる環境ではなかった江戸時代は、
互いに助け合う必要があった。
ところが水かけ言葉を言い続けるようなタイプは、
互いに助け合う人間関係を壊すことになる。
だから慎むのがしぐさであった。
水かけ言葉を言う人は「外様の門番」と揶揄された。
もっともランクが低いのが外様であり、
その門番は誰も相手にしなかったのである。
外様大名の多くは、江戸などの要地から外され、要職から遠ざけられた。
今でも組織の主流でないことを外様というが、
水かけ言葉ばかり使えば相手にされなくなる。
周りの状況を読めず、自分のペースで喋ったり行動したりする人が、
いずれ相手にされなくなるのは今も昔も変わらない。
「水かけ言葉」とは少し違うが、
嫌われようが何しようが自分のやりたいようにやる自己中心的な者は
いつの時代にも必ずいる。
そんな人間がリーダーになってしまったら、その下にいる者は不幸だ。
少し丸くなって、将来を見据えた考えを持つだけで
自分を取り巻く生活環境は大きく変わるのに、
なぜ協調性を持てないのか?