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江戸しぐさ『ちょうな言葉』

手斧(ちょうな)・・・大工道具の一種で鍬のような形をしており、
           その先に鋭利な刃が付いている
           木材の粗削り用の斧で、表面を平らにする道具

手斧によって表面をあらかた平らにして、

それから鉋(かんな)によって仕上げていくのが工程だが、

手斧は粗削り用だけに使い方も荒っぽい。

つまり、「ちょうな言葉」とは荒っぽい言葉使いのこと。

互いに敬意を持ち、丁寧な言葉使いを心掛けた江戸人にとって

喧嘩やいさかいでもないのに荒々しい言葉を使うのは憚れられた。

それにも関わらず荒々しいちょうな言葉を使われるのは、

そう言わせている自分に問題があると江戸人は思った。

自分では使わないが、ちょうな言葉を使われた時、

自分のどこかに非があったのではないかと考えるのである。

ちょうな言葉にちょうな言葉で応じない江戸人のしぐさだった。



江戸時代は火事が多く、その建て直しに大工たちが活躍した。

大工は、江戸の町にとって重要な職業だったのである。

江戸時代、基本的には大工の子は大工になり、

親方の子供は棟梁権を譲り受けて親方となった。

また大工になりたい者は、子供の頃に親方に弟子入りをする。

そして一定期間修行を積ませてもらうのだが、

当時は技術を教えてくれるなどやさしいものではなく、

とにかく「見て、盗め」であった。

こうして一人前になっていくのだが、親方になれるのはごくわずかな者だった。


親方や先輩の技術を見て、盗んで、自分で研究して

試行錯誤しながら技術を磨いていったから職人技が生まれたのでしょう。

簡単に手に入れた知識や技術は、なかなか身に付かないものです。



「ちょうな言葉を使われるのは、自分に非があるから」

なかなかそう思えないのが人間です。

「ちょうな言葉にちょうな言葉で返す」は、

現代の言い方をすれば「売り言葉に買い言葉」でしょう。

売り言葉をさらりとかわせる心の広い、出来た大人になりたいものです。

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