東日本大震災による大きな被害を受けた同地で、
カメラが追ったドキュメンタリー映画。
46年ぶりの全国キャラバンを行ったフラガールたちの笑顔の裏には・・・・。
フラガールサブリーダーの大森さんは、
震災後の悲惨な状況、原発から2kmしか離れていない家に住むことが許されず、
スパリゾートも再開が可能なのか不安がつきまとう中、全国キャラバンで笑顔で踊り続けた。
家族ともペットとも離れ離れで暮らしている大森さんは映画の中で
「当たり前って何なんだろう?」と言った。
私たちは彼女の言う「当たり前」の中に浸りきっているからピンと来ない。
そして彼女も被災前は同様だったはず。
「当たり前」が無残にも破壊され、
「当たり前」が普通にできないもどかしさ、苦しさ、腹立たしさは
被災した人たちでなければ分からないのではないだろうか。
TV報道では分かり切れなかった被災者の苦悩、立ち上がろうとする心の強さが
伝わるドキュメントならではの作品です。
あれほどつらい思いをしているのに何故あんな笑顔で踊れるのか?
踊れる幸せを全身で感じ、見てくれる人たちを元気にしたいという思いが強いからだろう。
観客の笑顔、涙、大きな歓声と鳴り止まない拍手は
震災で受けた心の傷を充分に癒してくれた証だ。
「がんばっぺ!フラガール」という題なら
もっとフラガールにスポットを当てて、全国キャラバンに至るまでの様子や
キャラバン中の様子を映し出して欲しかった。
「がんばっぺ!福島」「がんばっぺ!ハワイアンズ」になってしまった感があるのがちょっと残念。
そうはいっても震災被害の大きさ、原発被害の深刻さを伝えるという点で作られて良かった映画であり、
震災を忘れない為に多くの人に見てもらいたい映画です。
☆4つです!
☆ ☆ ☆ ☆ ★ |