昨日、安保法案が強行採決され、反対のデモや抗議が全国で起きた。
私もこの強行採決は民主主義の根幹を脅かすものだと思った。
与党は116時間もの時間を審議に費やし、審議は尽くされたというが、
審議したかどうかは時間で決めるものではない。
賛成派と反対派が意見を述べ合い、意見調整をするのが国会審議だ。
野党からの質問に明確に答えない安倍首相を筆頭に、
噛み合わない問答を何時間行っても、それは審議したとはいえない。
『民主主義は多数決』というが、
少数派の意見でも良いものは取り込み、反対派との調整を行ったうえで
多数決を取るのが民主主義ではないだろうか。
今回の強行採決は、多数派の独裁につながる危険性をはらんでいる。
集団的自衛権の賛否については難しいものがある。
日本が終戦後、ここまで平和な国家であり続けられたのは、
だからといって憲法解釈を曲げて
集団的自衛権の行使を認めるということには直結できない。
安倍首相がアメリカでの演説の中で、
夏までに決着させると明言したことで結論を急いだのだろうが、
この程度の審議で決められるものではない。
集団的自衛権の行使を認めるにしても具体的に限定し、明確にする必要がある。
そのための審議を116時間したのだと与党側はいうが、
反対派も国民の多くも理解せず、納得していなければ、
それは審議した結果とはならないし、民意を無視したものとなる。
これをきっかけに軍事国家へ真っしぐらとはならないと思うが、
民主主義国家らしい政治、審議をしてもらいたい。