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硫黄島からの手紙

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硫黄島からの手紙



第二次世界大戦末期の硫黄島の戦い に於ける人間模様を描いたクリント・イーストウッド監督の二部作で 父親たちの星条旗 に続く第二作。

圧倒的優位なアメリカ軍の軍事力に対して敗戦が目に見え、軍備も乏しく本土からの支援もない日本軍。
5日で陥落させると言っていたアメリカ軍に対して、地中に穴を掘り36日間戦った壮絶な戦いは戦争史に残るもの。
その戦いの中で繰り広げられた人間模様を描いた作品。


この映画がアメリカ人であるクリント・イーストウッドが監督したとはとても信じられないほど日本と日本人を、それらしく描いていた。
アメリカ人が見て描いた硫黄島というよりも、日本人が描いたという感じがするほど日本人らしさを前面に打ち出している。
【男たちのYAMATO】 よりも邦画らしく、日本沈没 よりも迫力ある映像で素晴らしい出来の映画だと感じた。



しかし、栗林中将、西中佐という知米派・親米派の二人を当時の日本人らしくないという見方で描き過ぎたように思えた。

また主役の一人、西郷一等兵は、妻とまだ見ぬ赤ん坊を残して出征してきた勤勉な日本人(パン職人)だが、彼の戦争に対する考え方と現代人風な言動は当時少数派だったはず。

アメリカナイズされている二人と異端な若者を主軸に置いてしまったため、当時の一般的な神風を信じ、日本勝利を疑わない日本人からかけ離れてしまったように思えた。

こういう設定は戦争を知らない私を含め、現代の日本人やアメリカ人から見れば好ましく映るのだろう。
逆に、戦争体験者や戦争をよく知る人達にしてみれば、「本当の戦争はこんなもんじゃない!」と映るだろう。


当時のことを考えれば首を傾げたくなる部分はあるが、硫黄島での壮絶な戦い、戦争がもたらす悲惨さ、アメリカ人も日本人も戦争はしたくないという人間の根底にあるものは十分に伝わってきた。


星4つです  ☆ ☆ ☆ ☆