TBS「ニュース23」のキャスターを務めていた
筑紫哲也さん が亡くなられた。
昨年、肺がんを患っていると番組の最後に自身の口から話し、癌と戦いながらも
「報道は私の仕事であり、生き甲斐だから仕事は続ける」と言っていた。
その言葉の通り、昨年10月には番組に復帰し、
いつもと変わらずニュース解説をしていた。
その時はさすがに少しやつれていたが、
解説は分かり易く、いつもの口調であった。
ニュースキャスターやジャーナリストは、
得てして私見を強く前面に押し出し気味になり
偏った見方をしていると感じさせるが、
筑紫さんは、我々と同じ目線で問題を見て、分かり易い言葉で解説し、
その上で私見を述べていたので好感が持てた。
筑紫さんは朝日新聞社に入社し、
「朝日ジャーナル」の編集長を務めた後、
「ニュース23」のキャスターになったのだが、
文字で伝えることから 話し言葉で伝えることへの変身をうまくこなした人だった。
私が好きだった数少ないジャーナリストであり、ニュースキャスターであった。
ここ数年は、NTVの「ZERO]と時間が重なると
チャンネルをガチャガチャ変えながら見ていた。
「ZERO」のキャスターを務めている村尾信尚氏も
今はまだちょっと危なっかしいが、将来の筑紫哲也になりそうな気がしている。
などを筑紫さんはどう捕らえ、考えるのかを聞いてみたかった。
屈託の無い笑顔と、悪いものは悪いとハッキリ伝える姿勢が
今の暗くなりがちな社会で気分が滅入りそうになる庶民に
癒しを与えてくれるはずだった。
ご冥福をお祈りします