11日に行われたプロボクシングWBC世界フライ級タイトルマッチ
チャンピオンの内藤は、コツコツと下積みを重ねながらここまで来たたたき上げ。
かつては、世界に挑戦して 1R34秒の最短KO負けを喫したこともある男が
強い前チャンピオン、ポンサクレックに判定勝ちして王者になった男なのだ。
テクニックに乏しく、強いパンチ力に頼るだけの目立ちたがり屋。
この一戦に勝てば日本人最年少世界チャンピオンということでマスコミは煽り立てた。
が、1Rからテクニックの差は歴然。
ガードを固め、前に突進するだけで手が出ない大毅に対して、
内藤はガードの上からでもお構いなく、上へ下へとパンチを浴びせる。
今までのような弱い相手とは勝手が違い、自分のペースに持ち込めない大毅は
ラウンドを追うごとに焦りが見え始め、反則の連発となった。
クリンチになれば、内藤の太腿にパンチを打ち、相撲の立会いまがいの突進で体当たりし、
最終ラウンドにはレスリングのような投げまでやってしまう有様。
ボクシングというスポーツを喧嘩の延長としか考えていないような挑戦者を相手にした
内藤が観ていて可哀想になってしまった。
試合前には「負けたら切腹してやる」「内藤はゴキブリだ」などと内藤を挑発する強気な発言をしていたが、
手も足も出ない「おとなと子供の戦い」になってしまった。
ボクシングをする者はチャンピオンだろうが、挑戦者だろうが、世界ランカーだろうが、4回戦ボーイだろうが
みんな命がけで戦っている。
キャリアの浅い18歳の坊やが世界チャンピオンに初挑戦するときに
安易に「負けたら切腹」などと言うものではない!
この辺りが、亀田家に於ける社会勉強不足だろう。
大毅にはパンチ力がある。
もっとボクシングを勉強して、真摯に努力すれば明るい道が開けるかもしれない。
しかし、兄の興毅のようなテクニックもなければ、試合のかけ引きも知らない。
三兄弟の中では一番ボクシングセンスに欠けているのだから
この際、別の道を歩むのも彼のためではないかと思う。