朝の通勤電車、といっても私の場合、通勤時間が遅いのと、都心とは逆方向へ行くので車内はいつもガラガラ。
それでもこの日は一駅目で座席はみんな埋まってしまった。
中には大股開きで携帯を眺めている若者や、荷物を座席に置いているおばちゃんも居るが。
二駅目に着いたところで70代と思しき老夫婦が乗ってきた。
旦那さんの方は足が良くないようで 奥さんに体に手を添えられながらゆっくりと乗ってきた。
座席が埋まっている為、ドア付近の支柱につかまって立っている。
すぐそばの座席には、携帯を見ている若者が座っている。
私はドアの反対側の対面に座っていた。
旦那さんがキョロキョロっと見渡した時に目が合ったので、手招きすると
会釈をしてゆっくり、ヨタヨタした足取りで奥さんと一緒に近づいてくる。
「 どうぞ 」
「 ありがとう 」
私の隣には30代と思しき女性が熱心に化粧をしている。
旦那さんは腰掛けるとまた私に会釈をしながら
「 ありがとう 」 と言った。
隣のお姉ちゃんは気が付いているのか、気が付いていないのか分からないが、せっせと化粧を続けている。
お姉ちゃんにも声を掛けようかと思ったが、奥さんのほうが
「 大丈夫です 」 と言うように私に無言で頷いていたので止めた。
電車内をよく見ていると、体が不自由な人が乗ってきても老若男女問わず
寝た振りをしている者や、無視する者、一人で広々と座席を占領していながら詰めようともしない者・・・・
「 優先席があるんだから、そっちへ行けば良いんだ 」
中には、見た目では分からない体調の悪い人もいるかもしれないが
そういうもんじゃないだろ! |
老人や妊婦さん、体の不自由な人が乗り込んできて、座席が空いていなければ
健常者は席を譲るのがエチケットであり、マナー。
すべての座席が優先席と考え、思いやりを持つのが人ではないか?
自分が怪我や病気で具合が悪いときに、他人から親切にされたらうれしいと思うはず。
それを何故、自分は出来ないのか?
自分さえ良ければ良い!
今が楽しければ良い!