ロックシンガーの忌野清志郎さん(58歳)が亡くなった。
2006年7月に咽頭癌と診断され、治療に専念するために一時活動を休止したが、
2008年2月には日本武道館で
「完全復活祭」と銘打った復活コンサートを行い復活。
活動を再開したが、同年7月に癌の左腸骨への転移が発見され、再入院。
その後も闘病を続け小康状態も見られたが、2009年に入り体調を崩し、
5月2日東京都内の病院で癌性リンパ管症のため死去した。
初めて彼を見たのは私がまだ高校生だった頃で、
忌野清志郎さんは学生バンド RCサクセション を二人で結成して
渋谷のフォーク喫茶で歌っていたときだ。
まだまったく無名なバンドだったが
そのインパクトが強烈でずっと忘れられずにいた。
RCサクセションは初めて聴いたときから異質なグループだった。
あのちょっとしゃがれた独特の声はあの当時から変わっていない。
今でこそ「日本のロック」といえば、この人抜きに語ることは出来ないが、
結成当時のRCサクセションはちょっと風変わりなフォークバンドだった。
アウトロー讃歌的な「ぼくの好きな先生」が代表的な曲だったと思う。
その頃のRCサクセションはまったくといって良いほど売れなかったが、
その後、ソウル、R&Bなどアッパーでソウルフルなサウンドへ変貌し、
独特の清志郎ワールドが確立した。
奇抜なメイクやカラフルで派手な衣装も注目を浴び、
82年には坂本龍一とユニットを組んでリリースした
「いけないルージュマジック」が大ヒット。
ライブや歌番組ではハチャメチャな人間のように映るが、
素の忌野清志郎さんは至極普通の人だ。
あのパワフルで独特の声、パフォーマンス、ファッションを
見られなくなったのは残念だ。
ご冥福をお祈りします