オーストラリア政府が年金支給開始年齢を
2035年までに70歳に引き上げる方針を示した。
世界の先進国の中では最高齢となる。
オーストラリアには法律で規定された定年はないが、
1908年に年金制度が導入されて以来、
男性は65歳、女性は60歳で年金受給資格を得る。
高齢化が進み、この支給開始年齢を70歳にするというものだ。
日本では、この4月から60歳定年でも65歳までの全員雇用が義務化され、
受給開始年齢は、条件にもよるが基本的に65歳からとなっている。
日本の2013年の労働人口は6577万人だが、
出生率が大幅に回復し、北欧並みに女性や高齢者の労働参加が進んでも
この先約50年で1170万人減る見通し。
女性活用などが進まない場合、減少幅は2782万人に拡大するという。
いずれは雇用延長を70歳までとし、年金受給開始年齢もさらに引き上げられるだろう。
元気なら70歳まで働くのは構わないし、
働けるのなら働いていたほうが良いと思っている。
しかし、働く環境整備をしなければ働く気になれなくなってしまうこともある。
定年退職して現在、雇用延長で働いている人の話を聞くと、
仕事内容は以前とまったく変わらないのに、給料は4~6割減。
会社への貢献度を考えると馬鹿らしくなってくるが、
退職しての再就職は限りなく難しいから仕方がないという。
自営業者は体さえ動けば働き続けられるが、
国民年金支給額は少なく、賃貸家賃にも満たない。
一生働け!
働かざる者、食うべからず!
健康保険も圧迫されているから
病気になって働けなくなった年寄りは早く死ね!
ということか。
長年、働いてきたということは、それだけ税金を納め、
国や社会に貢献してきたということ。
そんな60歳前後の者に対し、もっと働け、年金受給は先送りだという
お先真っ暗な国になりつつある。
さらに年齢が下がれば下がるほど、生きていくための条件が厳しくなるのは確実だ。
また女性の労働人口を増やすといっても
出産、育児、再雇用の環境整備をしなくては難しい。
働きたくても働けない女性は今でも多い。
具体的な策を講じず、放置同然にしていた政府の責任は重い。
それにも関わらず、議員歳費削減、議員定数削減は遅々として進まず、
増税して国民に負担させるばかりだ。
いつからこんな国になってしまったのだろうか。