久しぶりに電話したら
「 癌になっちまったよ! 」
と、あっけらかんと話し出したのだ。
昨年の夏に胸が痛いので病院へ行ったら
肺に水が溜まっていると言われ治療したが、
その後、肺癌らしきものが見つかり
検査と抗癌剤治療で約1ヵ月半入院していたという。
T 「 癌の進行が止まらず、駄目みたいだ。
頭ツルツルだよ、ヘヘヘッ 」
頭ツルツルだよ、ヘヘヘッ 」
ぴ 「 ヘヘヘッじゃねえだろう 」
T 「 腰が痛いのが辛くてなあ。
T 「 腰が痛いのが辛くてなあ。
会社にはフレックスタイムで行っているが
風邪をうつされるのが怖い 」
彼は辛そうな話し方をあえてせず、本音を正直に話してくる。
私も変な慰めはしないで今まで通り普通に喋っていた。
Tとは高校時代からの付き合いで
お互いに何かとライバル心を持ち、負けまいと競い合ってきた。
彼女が出来ると必ず紹介し、
4人で会ったり、どちらかに彼女がいないときにも3人でよく会っていた。
だからTの奥さんもよく知っている。
しっかり者の奥さんだが、今回のことでのショックは計り知れないだろう。
二人の息子がいて、次男はまだ若いのだが今年結婚する。
孫の顔を見られると良いのだが・・・・。
高校時代からの仲間は他にも何人もいるが
お互いにお互いを特別な存在と見ていた。
そして悪態をつきながらも私とTが常に仲間をリードしていた。
仲間からは
「 ずる賢い、ぴ~まん 」
「 生ずるい、T 」
と呼ばれていた。
仲間内でも常に要領良く立ち回り、
どんなときでも、何があっても二人がババを引くことは絶対になかった。
仲間の一人がやはり10年ほど前に癌で亡くなっている。
その葬儀のときにも他の仲間から
「 お前らは癌にはならねえな、向こうが寄りつかねえよ 」
なんて言われていた二人だった。
電話での最後の方の会話
T 「 たばこを吸うお前がなんともなくて、吸わない俺がなんで肺癌にならなくちゃいけないんだ! 」
ぴ 「 若い頃からの行いの悪さで罰が当たったんだ 」
T 「 それだったらお前が先になるだろう 」
ぴ 「 お前よりマシだったてことを神様が認めてくれているんだよ 」
T 「 外に出られないわけじゃないから近いうちに飲みに行こうや。
そのときに詳しく話すよ 」
そのときに詳しく話すよ 」
ぴ 「 おう、それまで元気にしていろよ・・・・あと30年くらいな! 」
彼の余命はどのくらいなのか?
私の人生でTが居ないことは考えたこともないし、