ぴ~まん’s ワールド

仕事も遊びも楽しくやろう 楽しくなければ人生じゃない

RAILWAYS

RAILWAYS

49歳にして人生の夢を追い始め、電車の運転士になった男の物語。

典型的な会社人間だった主人公(中井貴一)が

同期で親友だった友の死、母(奈良岡朋子)の病気をきっかけに

子供の頃の夢だった

電車(島根の一畑電鉄、通称バタ電)の運転士になろうと決意し、

実現させる。

男にとって仕事とは何なのか?を考えさせられ、

それと共に妻(高島礼子)、娘(本仮屋ユイカ)との関係修復、

電鉄会社社長(橋爪功)を始めとする同僚、乗客たちとの心温まるふれあいなど

人間関係の温かさを描いている。

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男の子なら一度は夢見る電車の運転士。

私も例外ではなく、

小学校低学年の頃、作文に書いた私の夢は『新幹線の運転士』だった。

それからいくつも夢は変わり、

長年勤めた会社を辞め、今は最後(?)に夢見た仕事に携わっている。

そんな自分の人生と重なる部分があって、物語にのめり込んでいった。



四六時中仕事のことばかり考え、目を吊り上げていた主人公が

電車の運転士になるという夢に向かい始めてから徐々に人間らしさを取り戻し、

何か憑き物が取れたかのような穏やかな表情になっていく様を

中井貴一が見事に演じています。

「会社は慈善事業じゃない。

 会社を守るためには誰かを犠牲にしなければ共倒れだ」

なんて会社で言ってた男が、

電車に乗るお婆ちゃんのために5分も発車を待ってあげる変わり様。

ローカル線ならではのほのぼのしたものが心を癒してくれる。


笑いあり、涙あり、人とのふれあい、郷愁ありの素晴らしい作品。


田園地帯を走る電車、古びた車両の走行音は懐かしさを覚え、

出雲の四季・風景・伝統なども盛り込んでいます。


49歳の男のロマンというだけの話ではなく、

そこに至るまでに人間らしさを取り戻し、

人と人との絆が大切だということを改めて思い知らされ、

温かい心になれる映画です。

しいて欲を言えば、

運転士教育シーンや運転席からの車窓をもう少し取り入れていたら

なお良かったと思う。



鉄道マニアの鉄ちゃんにとってもワクワクする映画です。

バタ電の車両は京王電鉄南海電鉄など全国からのお古が多く、

最古参は80年以上走っている昭和4年製のデハニ50形。

デハニとは、

デ=電動車
ハ=普通車(イロハのハで3番目、3等客車のこと)
ニ=小荷物室付き

を意味することも映画の中で紹介されている。

木製の車体や日除け(鎧戸)、ドアは手動、木製の窓枠、ドアも木製の年代物車両。

車両製作時の設計図面も無く、調整、修理は技術者の目と耳頼り。



田園風景の中を電車が走るエンドロールと

ラストのユーミンの曲が余韻にどっぷり浸からせてくれます。



☆5つです!
☆ ☆ ☆ ☆ ☆



今年、千葉の『いすみ鉄道』(赤字ローカル線)で
運転士育成費用700万円を自費で出すことを条件に運転士募集をしたところ
全国から6名の応募が有り、面接の上4名が採用された。
当然、今の仕事を辞めての挑戦、『RAILWAYS』そのものだ。

男のロマンを捨て切れず、夢を追い求める人は少なくないのだろう。