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「江戸しぐさ」~はじめに~

はじめに https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/p-man99/20010101/20010101001800.gif

大都市・江戸は武家の町であり、人口の半数を占めていた商人・職人達は、

江戸市街のわずか15%の地域に押し込められ、

狭い長屋で肩を寄せ合って生きてきた。

それだけに互いに助け合い、共に生きていく気持ちがないと、

まさに共倒れになってしまう。

どうしたら気持ちよく、争いごともなく、楽しく暮らしていけるのか、

町のリーダーたる町年寄をはじめとする人たちは、

さまざまな知恵を出し合い、ひとつの生活哲学を作り上げた。

それが 江戸しぐさ である。


江戸しぐさ」の基本は、互助・共生の精神。

対等な立場で相手に敬意を持ち、自らは誇りを持つ。

しかしこれは「気づかい」や「心づかい」「心構え」であり、「作法」ではない。

その場で自然に出る身体に染み付いた振る舞い方で

その行いによって互いが気持ちよく過ごすことができる。

そのための知恵なのである。


だから「江戸しぐさ」は、非常に当たり前な、常識的なものばかりである。

突飛な行為をするものなどひとつもなく、

誰もがひとつやふたつ毎日行っていることかもしれない。

しかし、このしぐさを忘れてしまっているのが現代人なのである。


               越川禮子 監修 「江戸しぐさ」より