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江戸しぐさ 「いただきます」

食事を始める前、当たり前に使っている

「いただきます」 という言葉が定着したのは江戸時代といわれている。


「いただきます」 とは、

食料を生産した農民に対する感謝の念のみならず、

料理を作ってくれた調理人への感謝の意、

食べ物を私たちに与えてくれた自然に対する畏敬の念が含まれている言葉である。

幼き頃には、父母への感謝の気持ちも込められている。


「いただきます」 という言葉を発すると同時に頭を下げ、

感謝の意をしぐさで表す。

「ごちそうさま」も同様に

感謝の気持ちから自然発生的に生み出された言葉としぐさである。


他者への感謝は、食べ物だけでなく、すべての面において

江戸の庶民たちが普通に持っていた感覚である。



一日の食事が三食になったのは江戸時代中期以降といわれており、

初期は朝晩の二食で済ませていた。

江戸時代中期から後期になると鮨や蕎麦、鰻の蒲焼、天麩羅などの料理店が出揃い、

高級料亭なども登場している。


また、江戸時代は仏教の影響で獣肉を食べることはタブーであった。

獣肉を食べるときは薬食いと言って、

栄養のあるものを食べているのだと誤魔化した。

猪の肉を 「ぼたん」 、鹿の肉を 「もみじ」 、馬の肉を 「さくら」 と呼び、

名を変えるなどして獣肉を食べるために知恵を絞っていた。


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最近は 「いただきます」 や 「ごちそうさま」 を耳にすることが少なくなった。

個人主義が広まり、「いただきます」 や 「ごちそうさま」 に限らず、

人としてのエチケット、マナーが滅茶苦茶になってしまっている。

江戸しぐさ」 は、人が穏やかに暮らしていくための日本文化です。

多くの人がこの素晴らしい日本文化を見つめ直し、

道徳観を高めてもらいたいものです。