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フェルメール 真珠の耳飾りの少女

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             真珠の耳飾りの少女フェルメール



真珠の耳飾りの少女』 は、特定の誰かを忠実に表現した肖像画ではなく、

想像で人物の上半身を自由に描いた「トローニー」とされている。

フェルメール作品には、

『牛乳を注ぐ女』 『レースを編む女』 など質感描写の高い作品が多いが、


観る者がそれぞれに思いを巡らせる謎めいた印象を与える。


題名に表されている真珠の耳飾りは、

白い絵の具を数回乗せただけの光だけで表現されていて

よく見ると、かなり大きな真珠の耳飾りなのが分かる。

わずかに開いた口元は、何かを語りかけているように見え、

それが想像力をかき立てる。



真珠の耳飾りよりも青いターバンの印象が強く、

青いターバンの少女』 とも呼ばれている。

フェルメール・ブルー」と呼ばれるフェルメール独特の鮮やかな青には、

中東から輸入されたラビスラズリを原料とした絵具

「ウルトラマリンブルー」が使われていて、

これは、大変高価な顔料で、材料が鉱石のため退色が少ない。

しかし一番印象に残るのは、青いターバンよりも

正面から観ても、右から観ても、左から観ても

自分のほうを見ているように見える目だ。

右目と左目の視線に若干のズレがあるので、そのように見えるらしいが、

その目が、軽く開いた唇と共に、何かを訴えるような表情となって

観る人の心を惹きつけるのだろう。


作家 有吉玉青氏の文献では、

そのまなざしは、まるで自分の心の奥底にまで届くかのようだ。
忘れたことにしていたこと、
思い出してはいけないこと、
さらには自分でも意識できない深層心理にまで届くほど鋭く強く、そして冷たい。
冷ややかに
こんなことしたでしょ、
こんなことあったでしょ、
本当はこう思っているんでしょ、
知っているのよ
と言われているようで怖い。

と記されている。

まさにその通りで、この少女の前に立つと、

やさしい眼差しのようでもあり、怖い眼差しのようでもある目に

射すくめられたようで、なかなか動けなくなる。

それがこの絵の持つ不思議な力であり、

人々を惹きつける魅力、魔力なのではないだろうか。