【舟を編む】 とは、辞書(舟)を編集する(編む) ということ。
玄武書房に勤務する馬締光也(松田龍平)は、
職場の営業部では変人扱いされていたが、
言葉に対する並外れた感性を見込まれ辞書編集部に配属される。
新しい辞書「大渡海」の編さんに従事するのは、
現代語に強いチャラ男・西岡正志(オダギリジョー)など個性の強いメンツばかり。
仲間と共に20数万語に及ぶ言葉の海と格闘する毎日が続き、
女子高生が使っている現代ならではの言葉や言葉使いにも常にアンテナを張り巡らし、
24時間すべてが辞書作りに繋がる生活をすることになる。
原作も素晴らしいが、演出も素晴らしく、
辞書作りの苦労と完成したときの達成感が伝わると同時に
人間関係の面白さ、仕事のやりがいを訴えてくる。
配役もみんなピッタリでまったく違和感を感じさせない。
仕事に真摯に向き合い、礼儀正しく、
歪みや汚れのない一風変わった主人公を松田龍平が見事に演じ、
チャラ男で先輩役のオダギリジョーとのやり取りや、
大家の孫娘・林香具矢役の宮崎あおいへの告白に至るまでの過程などを
ユーモラスに見せていて
辞書作りという堅苦しい話だけに終始せず、最後まで物語にのめり込ませてくれる。
小学校高学年のときに辞書を見ていて、これを作った人は凄いと思ったことがあった。
普段、何も気にせずに使っている言葉ひとつひとつを
客観的に、誰が聞いても解るように説明するのは簡単そうで難しい。
友だちと単語を出し合って、辞書に書かれているように説明しようと頭で考えたが、
なかなか上手く出来なかった。
劇中にも出てきましたが、「右」を説明するにはどうしますか?
誰にも解るように、客観的に説明することを考えてみてください。
なかなかすぐには説明できないと思います。
私は、映画を観ながら考え、劇中にあった答えと似たようなものでしたが、
「アナログ時計で数字の3がある方」という答えが浮かびました。
今はPCでなんでも簡単に調べることができますが、
辞書がなくなることはないだろうし、
なにより、辞書で調べたことのほうが頭に残ります。
☆5つです!
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