傍若無人(ぼうじゃくぶじん)とは、
「周りに他人がいないかのような自分勝手な振る舞いをする」
という意味の四字熟語である。
秦の時代、燕(北京)の刺客の荊軻(けいか)は、
高漸離(こうぜんり)達と酒を飲んでは、歌って、酔い、騒ぎ、わめいて、
まるで傍に人がいないかのような振る舞いをして暮らしていたという故事から
このような振る舞いを傍若無人といった。
「傍らに人無きが若し」と訓読し、
傍若無人 ⇒ 迷惑千万 である。
日本では、この意味そのままに
「他人の迷惑を顧みない勝手な振る舞い」に対して使われている。
しかし中国では、もともと
「他人に遠慮せずに感情を表す」という意味合いで使われているという。
~『東洋古典語典』の中での渡辺紳一郎氏の解説より~
似たような意味ではあるが、その意味するところの根底にあるものに
国民性、文化の違いが表れているように思える。
その典型例が、中国独自の「防空識別圏設定」だろう。
他国が困ろうが、どう思おうが、お構いなしに他国の防空圏に遠慮なく入り込み、
「ここまでが自分(中国)の領空だ!」
と勝手に線引きをしたのだ。
この勝手な振る舞いこそが『傍若無人』である。
自国の防空識別圏にまで入り込まれた日本、韓国はもちろんのこと、
米国、オーストラリアを始めとする諸外国からも反発が出ている。
まるで言った者勝ちであるかのような勝手な主張で
他国の領土、領海、領空を自国のものにしようとしている中国。
ただ韓国の反発は、「反日共闘」のこともあって少々控えめになっている。
しかし相手がおとなしくしていれば、いっそう威圧的な態度になるのが中国だ。
「防空識別圏」の勝手な設定に対しては、日本も強く出るべきだし、
中国も今や世界第二位の経済大国になったのだから
もっと良識のある政策、行動をしてもらいたいものだ。