「オルセー美術館展」に行ってきました。
大好きなモネの作品も展示されていますが、
今回の一番の目的はミレーの「晩鐘」を観ること。
中学一年のときに、美術の先生にミレーの「落穂拾い」のレプリカを見せてもらい、
初めて絵画で感動したのをはっきり覚えています。
まだ「落穂拾い」の実物は観たことがないのですが、
「晩鐘」もミレーらしさに溢れた作品だと思っていたから、すごく楽しみでした。
解説によると、
農民だったミレーの祖母が、毎日夕刻になると農民に畑仕事を中断させ、
死者のために祈らせていたのを思い出しながら描いた作品です。
レプリカで観たときには、大地に感謝の祈りを捧げていると解釈して観ていましたが、
解説を読み、改めて観ると
素朴な雰囲気の中にも尊厳を感じさせる絵でした。
モネの画風とはまったく違い、重々しさが心にズンと響いてきます。
重々しいといっても嫌な重さではなく、人の心の温かさや神々しさをも感じます。
他の絵では、やはりモネの作品に目が行き、
雪景色を描いた「かささぎ」が印象深い絵でした。
白い雪が一面に描かれているのですが、よく観ると微妙に色が違います。
黄色味がかった白や青味がかった白など、
同じ白い雪でも光の当たり具合で違って見えるのを見事に描き分けています。
モネの初期の絵も展示されていましたが、
いかにも駆け出しの画家の絵といった感が否めません。
他では、シャルル・ジャックの「羊の群れのいる風景」が素晴らしかった。
羊一頭、一頭の毛足まで見事に描かれ、目の前に羊がいるかのような実写的な絵です。
今回、改めて分かったのは、
私は人物画、とくに肖像画は好きになれないということ。
なにも感動することがなく、サーッと通過していました。
好きな絵を観て、感動できる
絵画展ならではのものですね