歩いても歩いても |
父(原田芳雄)は、気難しい元開業医、長男を跡継ぎにと期待していた。
母(樹木希林)は、海難事故で亡くした長男を忘れられない。
そんな父母に失業していることを口に出せない次男は実家へ帰るのが苦痛だった。
明るい姉(YOU)一家も来ていて、一見和やかそうな時間が過ぎていく。
海難事故の原因となった男への恨みつらみ、長女の旦那への不満などあからさまに表す母。
どこの家庭にもありがちな風景、会話の連続だが、
嫁と姑の会話では、姑のチクチクッとした言葉が嫁の胸に突き刺さる。
ましてや次男の嫁は子持ちで再婚だから肩身が狭く、イライラする。
そんな嫁と姑の間に入り、それぞれをなだめすかし、なんとか穏便にして、帰るまでの時間を過ごす次男。
長女と母の遠慮の無い会話、家庭料理を作るシーンが見処か。
樹木希林は上手い!
どこにでもいるおばちゃん、お袋さんを演じている姿は見事です。
長女と嫁の立場、母の対応の仕方の違いをストレートに演出し、
どこの家庭にもある小さな問題、大きな問題を包み隠さず映し出しながら、
なんだかんだと言いながらも家族の絆を再認識させられる。
前半はどこの家庭にもある出来事を上手く演出し、ほのぼのとして楽しませてくれるが、
あまりにそれの連続で飽きてくる。
最後には、やはり家族なんだよなと思わされるが、映画としては変化と刺激に乏しい。
TVドラマで見たら面白いと思うが・・・。
☆2つです!
☆ ☆ ★ ★ ★ |