1930年代の日本で飛行機作りに情熱を傾けた青年の姿を描いた宮崎アニメ。
美しい飛行機を製作したいという夢を抱く青年が成し遂げたゼロ戦の誕生、
そして青年と少女との出会いと別れをつづる。
大正から昭和にかけての日本。
戦争や大震災、世界恐慌による不景気により、世間は閉塞感に覆われていた。
航空機の設計者である堀越二郎はイタリア人飛行機製作者カプローニを尊敬し、
いつか美しい飛行機を作り上げたいという野心を抱いていた。
関東大震災のさなか汽車で出会った菜穂子とある日再会。
二人は恋に落ちるが、菜穂子が結核に罹ってしまう。
堀越二郎をモデルにしたフィクション物だった。
それはそれでいいのだが、この映画のストーリーには主題が大きく二つあり、
航空機大好き少年がゼロ戦を設計するに至るまでの失敗や苦労と
再会してからの菜穂子との恋である。
どちらも描きたい意図は分かるのだが、どちらも浅く、
物足りないまま終わってしまい、見終わってもなんの感動も無かった。
宮崎アニメということで少し期待が大きすぎたのだろうか?
ジブリならではの丁寧な手法で忠実にアニメ化した方が、
よほど登場人物に感情移入しながら観る事ができたと思う。
さらに主人公の声に違和感があり、これが観ている間、気になって仕方がなく、
物語にのめり込めない一因となっている。
背景の絵は、さすがにジブリで、細かく綺麗に描かれていたが、
ちょっと残念な印象の強い作品だった。
☆3つです!
☆ ☆ ☆ ★ ★ |