肺癌になってしまった親友 T と会ってきた。
抗癌剤の副作用による脱毛も回復していたので
見た目にはまったくと言って良いくらい変わっていない。
電話で話したとき同様に落ち込んでいる様子も見られなかったが
内心は穏やかではないはず。
「やれることをやって、結果を待つだけだ」
と焦る気持ちが無さそうなので安心した。
去年肺癌が見つかる前から腰や膝に痛みがあったので
体重を10kgちょっと落としたと言っていたので
以前よりスマートになっていた。
消化器系の病ではないので飲み食いには制限されないから酒も飲めるし、
そのストレスが無いのは救いだと笑っていた。
「今の時代、癌になるのは仕方が無いとも思えるが
煙草を吸わない俺がなんでよりによって肺癌になるんだ!
それが納得いかないし、悔しい。
肝臓癌だったらまだ納得出来る」
と言っていた。
煙草は発癌のきっかけになるひとつの誘因だが、
必ずしも喫煙=発癌ではない。
顔を合わせて話をしていると昔のままの T で
とても癌を患っているとは信じられない。
去年の夏に胸が痛くなったので病院で診てもらったら肺に水が溜まっていて、
それを抜いたのだが、その時に肺癌が見つかった。
胸膜に小さな癌細胞がいくつかあり、それが水を溜める原因になっていたので
その隙間を癒着させ、水が溜まらないようにし、小さな癌細胞も活動できないと言う。
が、左肺に癌の大元があり、
夏に検査したときより10%大きくなっているのが心配だと言っていた。
GW明けに3度目の抗癌剤治療をするのに3週間ほど入院する。
抗癌剤の適性が合えば良いのだが、
合わなければ秋にでもまた別の抗癌剤投与をしなければならない。
6月に新しい抗癌剤が認可されるらしく、
医師もこれに期待しているようだと言っている。
癌の進行程度は3bということで
健康な人よりも体の抵抗力、免疫力が弱くなっているので
肺炎などを併発すると危ない。
4になると末期で医師も痛みを和らげるのが精一杯なのが今の医療実態だ。
なんとか抗癌剤の適性が合って、
小さくならないまでも現状維持でいられれば良いのだが
という考えは二人の一致したものだった。
抗癌剤治療の副作用が落ち着いた頃にまた会いに行こうと思っている。