老眼になり始めてしばらくの間、本から遠ざかっていたが、
それ以来ずっと何かしらの本を読んでいる。
今は、春ごろから読むようになった東野圭吾の本に嵌っている。
今まで東野圭吾の本は読んだことがなかったが、
実に読み易く、すぐにストーリーに引き込まれていってしまう。
基本的にはミステリー小説、推理小説なのだが、
私は殺人事件の犯人捜しやトリック解明に終始する話はあまり好きではなく、
人間模様に焦点を当てたもののほうが好きなので
『ガリレオシリーズ』にはあまり食指が動かない。
東野圭吾の本は、話の舞台になるものの幅が広く、
他の著者のようにカラーが偏らないところも魅力のひとつだ。
『秘密』
広末涼子主演で映画化されたものを随分前にテレビで見た覚えがあるのだが、
肝心な最後がどんなだったかをすっかり忘れていたこともあって
最初にこの本を選んだ。
主人公である夫婦の、とくに妻の気持ちを思うと実に切なくなる。
よくこんなストーリーを思いつくものだと感心すると同時に
話が上手くまとめ上げられていて、完成度が高く、ほれぼれしてしまう。
『パラドックス13』
荒れ果て、朽ちていく大都会の様子が手に取るように表現され、臨場感あふれる。
主に登場する11人のキャラクターの特徴が話の流れの中で上手く描かれ、
一人一人の個性がしっかり活かされている。
自然だけど読者を引きつける登場人物の描写が上手い。
東野圭吾の本を読んだ人は多いと思うが、
まだ読んでいない人には、まずこの2冊を薦めたい。
どちらも不思議系な話で最後がどうなるのか、途中から気になって仕方がなく、
物語にグイグイ引き込まれるうえ、最後も上手いまとめ方をしている。
他にも『時生』『宿命』『分身』『マスカレード・ホテル』など
面白い本がたくさんある。
今は『使命と魂のリミット』を読み始めたところ。
まだ読んでいないが『天空の蜂』が映画化され、来月中旬に封切られるので
これは映画を見てから本を読んでみようと思っている。
まだ5~6冊読んでみたいのがあるのだが、それを読み終わってしまったら
次はどうしようか今から悩んでいる。