世界一の長寿を誇る日本。
医療技術が進歩したことが長寿国となった大きな要因のひとつです。
反面、高齢者が意識のない状態で何年間も寝たきりになる国でもあり、
その寝たきり老人も長寿にカウントされていて、
手放しで長寿国だと喜ぶことはできません。
日本では高齢者が終末期に食べられなくなると、
点滴や経管栄養(鼻チューブ、胃ろう)で水分と栄養が補給されます。
本人は何もわからないだけでなく、苦しいたんの吸引をされ、床ずれもできます。
栄養の管を抜かないように手が縛られることもあります。
人生の終わりがこれで良いのだろうか?
これでは生きているというよりも生かされているといった状態です。
つらい思い、苦しい思いをした挙句、死んでしまう、死なせてしまうのが、
果たして、患者のためなのだろうか?
人として良いことなのだろうか?
スウェーデンでは、食べなくなった高齢者に点滴も経管栄養もしないで、
食べるだけ、飲めるだけで看取る(みとる)ようです。
脱水、低栄養になっても患者は苦しまない。かえって楽に死ねるらしいです。
日本では、高齢で飲み込む力が衰えた人は、口内の細菌や食べ物が肺に入って起きる
『誤嚥性肺炎』を繰り返して亡くなることが多いです。
亡くなっているので、誤嚥性肺炎はあまり問題にならないようです。
延命処置でかえって患者を苦しめている日本の現状は、
それが人の終末期にあるべき医療なのか疑問に思います。
日本は終末期の高齢者であっても、医療の内容を変えることは少ないです。
この違いは患者にとってすごく大きなものです。
終末期への考え方は、人それぞれあるだろうし、
それぞれの家族・家庭の事情もあるでしょうが、
延命措置を施して生かされるよりも自然に死を迎えるほうが、
人の尊厳を守れるのではないでしょうか。
少なくとも私は、人として生まれ、人として生きてきたのだから
最期も人としての尊厳を持って人生の幕引きをしたいと思っています。
参考資料
yomiDr.(ヨミドクター) 寝たきり老人がいない欧米、日本とどこが違うのか
yomiDr.(ヨミドクター) 寝たきり老人がいない欧米、日本とどこが違うのか
最近は、緩和医療に力を入れている病院も出てきましたが、まだまだ少ないです。