ぴ~まん’s ワールド

仕事も遊びも楽しくやろう 楽しくなければ人生じゃない

暴走婆さん大臣

田中真紀子文部科学相が大学の設置認可制度を抜本的に見直す考えを表明し、

平成25年度に大学の新設を予定していた

秋田公立美術大(秋田市)、札幌保健医療大(札幌市)、岡崎女子大(愛知県岡崎市)の

3校の申請を不認可とした問題。


大学設置・学校法人審議会は「新設を認める」と答申していたが、

田中文科相が政策的判断として覆した。

答申通りに認可されないのは過去30年間で初めてといい、極めて異例なことで

3大学はいずれも短大や専門学校からの改組で、申請に不備はなかったが、来春の開校は不可能となる。


田中文科相閣議後の記者会見で

「大学が全国で約800校ある中、大学教育の質がかなり低下しており、

 就職ができないことにもつながる。量より質だ。」と述べた。

さらに、学校法人審議会の委員は、計29人中22人が

学長や教授ら大学関係者で構成されていることに対し、

「大半の委員が大学関係者で、大学同士がお互いに検討している」と述べ、

委員の構成に問題があるとの認識を示した。

今後、文科省では外部の有識者らによる検討会をつくり、

委員の選任方法を含めた認可のシステムの見直しを図る。



田中文科相の言い分にも一理あるように聞こえるが、

「大学教育の質がかなり低下している」 というのは既存の大学の問題であり、

これから開校する3大学は、新たな教育環境の整備をし、教育目的をはっきりとさせている。

既存の大学に対して、教育の質の向上を促すのがやるべきことではないか。

学校法人審議会の委員のメンバー構成に問題があるのなら

選定の仕方を考え、今後変更すれば良いことであり、

今までこれを見過ごしてきた文科省及び歴代の文科相に責任がある。



少子化が進み、各大学は学生集めに苦労しており、募集停止になったところもある。

その結果、運営に問題がある学校法人に解散命令を出したところもあった。

そんな中、文科省の審議会は大学新設を認めたのだ。

審議会のあり方に問題があるのは確かで、

一般論で言えば大臣の行動は問題に一石を投じたという意味で賛成できる。

しかし、今のタイミングでやることではないだろう。

3大学は、きちんと準備をしてきていて、審議会の審査も通ってきたのだから

ここへきて『認めない』となるのは、3大学側からすれば理不尽極まりないことだ。


なぜ来年度の改革では駄目だったのか?

今回の政治決断により、準備をしてきた3大学の犠牲は大き過ぎる。


3大学の中には、当然新たな教職員を募集し、採用決定をしたところもある。

採用となった教職員は、前の所を辞めているわけだから働き場所がなくなってしまう。

短大から4年制への移行を申請していた秋田公立美術工芸短大では、

来春開校予定の秋田公立美術大への編入を希望していた学生もいる。

これから編入できる別の大学は限られてくるだろうし、

なにより自分の進路を変更せざるを得ない歯痒さ、悔しさがある。

「4年制になるからこの大学を選んだ」という学生もいる。

彼らの人生を狂わせてしまう権限まで文部科学大臣は持っているのか!

          https://cdn-ak.f.st-hatena.com/images/fotolife/p/p-man99/20010101/20010101001410.jpg

今回の田中文科相の言動は、

「決められない政府とは言わせない」

「私は大臣としてこれだけのことをやった」

という次の選挙を見据えた荒っぽいパフォーマンスと受け取られてもしかたがない。

田中文科相は、石原前都知事が国政に進出するのを見て 「暴走老人」 と言ったが、

自らは、石原氏とは比較にならない「荒くれ暴走婆さん」 だろう。