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マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展

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          ≪マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展≫


今回のモネ展は、今までのものとは違ってモネ一色。

モネが所蔵していた作品の中から

若かりし頃から最晩年に至るまでの90点が展示されていた。

いつもなら「あの絵が良かった」と印象に残った作品が頭に残るのだが、

今回はモネの画家としての長い人生を見てきたという印象です。

今までの絵画展とは趣が違って、とても良かったです。


モネの画家仲間であったルノワールピサロの作品もモネは手元に残していて、

収集家としての一面も見ることが出来た。

中には風景画を勉強することを薦められ、自然を愛することを学び、

師と仰いでいたウジェーヌ・ブーダンの作品もある。

また若き日のモネは風刺画を描いていたらしく、その一部も展示されていて

こんな絵も描いていたのかと驚かされた。


モネは生涯で「睡蓮」というタイトルの絵を200枚以上描いたと言われ、

今回の美術展でも6点が展示されていた。

それぞれが微妙に視点が違い、好みは分れると思う。

今回のメインである「サン=ラザール駅」も何枚も描いたようで、

私が好きなのは「サン=ラザール駅 列車の到着」なのだが、

今回は複製画でしかそれは見られなかった。

「サン=ラザール駅」の絵は、鉄骨にガラス屋根の近代的な駅舎や

勢い良く出た蒸気に包まれる線路や汽車が描かれている。

が、今回展示された「サン=ラザール駅」では、汽車は隅に描かれ、

立ち上る蒸気と目に見えない匂いと熱気で駅の雰囲気を醸し出している。

見ているだけで機関車から出る蒸気の匂いがしてくる気がする。

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モネの最晩年は、それまでの繊細なタッチとは異なり、

粗いタッチで抽象画のようになっている。

最晩年に池に架けられた日本風の太鼓橋を描いた作品が

4点並べて展示されていたが、

いずれも2~3m離れて見ても、太鼓橋が描かれているとは思えない。

幼稚園児が乱雑にクレヨンで塗りたくったようにしか見えない。

しかし、10mほど離れて見ると、ようやくそれらしく見える。

それまでの画風とは違うのが素人目にも明らかだ。


モネが晩年使用していた眼鏡やパレットも展示されている。

1912年に白内障と診断されたが、失明を恐れ10年ほど手術は受けなかった。

白内障の手術後、青味掛かって見えるのを嫌い、

調整するために黄色いレンズを使用し、

左側はほとんど見えないのではと思われるほど濃いレンズになっている。



今回のモネ展で一番印象に残った絵は、「小舟」でした。

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水中に揺らめく水草が見事に描かれています。

一流の画家ならではのものだと感心させられます。

タイトルは「小舟」ですが、水中で揺らめく水草がメインになっていて、

モネ自身もそれを描きたかったのだろうと思います。