自民、公明両党が軽減税率の対象を外食を除く食品全般とすることで大筋合意した。
軽減税率は実施しなければならないと言い、
が、軽減税率対象品の販売による1兆円とされる税収減のうち
6000億円を補う財源は、まだ決まっていない。
消費税率アップ分は、社会福祉に充てるものである。
軽減税率導入で税収が減れば、社会福祉に回す予算を削るか、
他の何かを増税して穴埋めするしかない。
軽減税率を導入して社会福祉予算を削減してしまっては本末転倒である。
となれば何かしら他の増税をせざるを得ない。
しかし、消費税率を上げて、軽減税率を導入するために他の何かが増税されては、
なんのための消費税率アップなのか、
誰のための軽減税率導入なのか分からなくなってしまう。
消費者としては、日々の生活費への影響が大きい消費税率アップを軽減する
軽減税率導入はありがたいことだが、
軽減税率による減収補填のために他の何かを増税すれば、
軽減税率の恩恵は消えてしまう。
結局、軽減税率は来年の参院選を見越しての撒き餌にしか過ぎない。
消費者の負担軽減を強調して世論にアピールしていく構えだろうが、
何かを増税すれば負担軽減など無いに等しく、
結果的に食品小売り業が振り回されるだけだ。
今さら言っても始まらないが、
消費税率を上げないで、社会福祉税として所得に応じた税を徴収した方が
結果的に低所得者の負担は軽く済み、
日々の生活への影響も少なかったのではないかと思う。
選挙への影響が大きくなるだけと踏んだのではないだろうか。
あり得ないことと思うが、
将来的に消費税率が15%、20%と上がった時でも
食品の消費税率が8%のまま据え置かれるのならば、
今回の軽減税率導入は消費者のための良政策となるだろう。
財源は後で考え、実施することだけを先に決めてしまうやり方は、
問題こそ違うが、原発推進のときとまったく同じ。
「とりあえずやってしまえ!」が日本の政府のすることだ。